レモン1個分にはレモン4個分のビタミンCが入っている!?

サプリメント治療
長尾綾子
長尾綾子

ビタミンCと言ったらレモン。そんなイメージの方も世の中には多いですよね。そのため、巷のビタミンC含有飲料なんかには「レモン◯個分のビタミンC配合!」なんて表示されているものもちらほら。でも、実は実際のレモン1個分にはレモン4個分のビタミンCが含まれているんですよ。一体どういうことでしょう?

レモン1個分のビタミンCの単位はお菓子会社が決めました

その昔、ビタミンCを含有しているお菓子を製造していた業界は「ビタミンC1000㎎配合!と言うよりも、レモン◯個分配合!みたいに言ったほうが消費者の皆さんにわかりやすくない?」と思いつきました。ただし、ビタミンCの含有量をレモンの数で表現するなら、レモン1個に何㎎のビタミンCが入っているのかの基準を作らないと表現できません。ということで、当時のお菓子メーカーは、ビタミンC20㎎のことを1レモンという単位を作ったのです。まさにビタミンCの新しい単位が生まれた瞬間です。

ビタミンCの含有量はちゃんと計算で決めています

もともと1レモン=20㎎ビタミンCと決めた背景には、ちゃんとした計算があります。国が使用している食品の基準表ですと、レモン1個分の平均的な重さの目安は120gと定められていて、そのうち果汁の割合は重量の30%程度であると定められています。重量にして、レモン120g中にレモン果汁は36g程度ということです。一方ビタミンCの量ですが、レモン果汁100gあたりには50㎎のビタミンCが入っていると言われています。それを元に計算すると、レモン果汁36gあたりにはだいたい18㎎のビタミンCが入っていることになります。それをざっくりと20㎎と決めたわけです!

ジュースや飲み物に入れるビタミンは1000㎎とキリがよいことが多いので、1レモン18㎎としてしまうと、ビタミンCがレモン55.5個分!と、なんともわかりにくい表現になってしまうので、20㎎というわかりやすい数字にあわせたのかもしれませんね。ビタミンCの量でお知らせするよりもレモンを使って表現したほうがとてもわかり易いので、お菓子業界もジュース業界もその基準を使っていました。しかし2008年4月にビタミンC20mg=レモン1個分を決めたガイドラインが撤廃されてしまったので、ジュース業界的には大問題。これまでの単位に変わる新しいレモン基準を作りたい!いや!NEWレモン基準を作る必要があるのだ!!!と強い要望が出たため、日本果汁協会と協力して相談した結果、1レモン=20㎎はそのままでもいいのではないか?ということで新基準も1レモン20㎎ビタミンCのまま、今日まで使われています。

ちゃんと計算したら、レモン1個分にはレモン4個分どころかレモン6個分のビタミンCが入っていた?!

ところが、日本食品成分表を確認したところ、レモン100g中のビタミンCは100㎎となっていました。このビタミンCの含有量が正しいとすると、120gのレモンには120㎎のビタミンCが入っていることになります。これを単純に計算するだけなんですが、なんとレモン1個分にはレモン6個分のビタミンCが入っていることになるんですね!すごいたっぷりレモン!なぜこのように、ジュースやお菓子の基準として作られたビタミンC量と実際のレモンのビタミンCにこれほどまでにずれが生じるかというと、日本食品成分表はレモン果汁だけでなくレモンの皮も含めた食材としてのビタミンCを検討しているからなんです。果汁のビタミンCから算出したレモン1個分のビタミンCの量で、皮や果肉を含めた丸々1個のレモンのビタミンC含有量を表現すると、レモン1個分にはレモン4個…いや6個分ものビタミンCが入っていると言えてしまうんですね!

そもそも論。レモンのビタミンC含有量は少ない

ビタミンCの多い果物としてすっかり認知度を得ているレモンですが、先程申し上げたようにレモンの果汁をすするだけではたったの20㎎のビタミンCしか摂取することが出来ません。日本の厚生労働省の推奨している一日のビタミンC摂取量は一日あたり100㎎ですので、2.5個分のレモンにかぶりついて果汁をすすってもらうか、1レモンを皮ごとまるごと食べてもらう必要があります。しかも、ビタミンCによって風邪予防や肌を整える効果効能を得たいのならば一日の上限が100㎎程度では全然足りません。アメリカの最低基準に合わせたならば、レモン300個を毎日かじって果汁をすする必要があります。

ビタミンC=レモンは商業戦略

その昔、ある飲料水メーカーがビタミンC入りの飲料水を開発しました。今ではお金を払って水を買うのは当たり前ですが、当時は水にお金を払うなんて考えられない時代です。そんな時代に、まるで水のような透明な飲み物が本当に売れるのか飲料メーカーは心配になりました。そこで、透明だと売れないかもしれないからビタミンC入り飲料をとりあえず黄色く色をつけたのです。この結果、ビタミンC=黄色というイメージが広く一般に定着していくこととなりました。

黄色い飲み物=ビタミンCが定着していく中、もっとより良いイメージにしていくために果物と結びつけることを企業は考えました。黄色くて、酸っぱい食べ物…レモンだ!ということで、ビタミンC=レモンがすっかり定着してしまったんですね!もし飲料水の色付けがオレンジ色だったら今頃ビタミンCが=みかんが広く広まっていたでしょうし、もし赤色だったら今頃いちごは酸っぱく品種改良が進んでいたかもしれません。

まとめ

ビタミンC=レモンもただのイメージ。本当はそんなにビタミンCを含んでいません。イメージ戦略に惑わされてはいけませんよ!

タイトルとURLをコピーしました